あなたは、みなし残業という制度を知っているでしょうか?
「みなし残業?何ですかそれは?」
意外と知らない人も多いと思います。
もしかしたら、知らないうちにみなし残業の術中にハマっている可能性もあります。
詳しい説明はここでは割愛させていただきますが、簡単に説明しますと残業があっても無くても毎月残業するであろうみなしの時間を計算して支払われるお金です。
あなたが残業をしてもしなくても、会社が毎月支払ってくれる制度です。
「えー!だったら残業しない方が得の嬉しい制度じゃん!」
と思ったあなた!
その考えは、とても甘い可能性が高いのですよ。
例えば、毎月6時間残業すると仮定して、6時間分1万円の残業代を残業をしてもしなくても支払ってくれます。
残業しなくても残業代を支払ってくれるなんていいじゃないかと思うわけです。
実は、みなし残業を採用している会社というのは、注意しなければいけない場合が多々あるんです。
あれがあーで、これがこーで…
本当に騙されたと感じますよ。
そんなみなし残業を採用している会社へ、あなたがもし転職をしてしまったのならば、地獄の勤務が始まってしまう可能性がとても高いのです。
みなし残業の闇の部分を知りたいのでしたら、ぜひともここから先を読んでみてください。
目次
みなし残業がある会社はホワイト企業なのか?
みなし残業と聞いて、きっとこう思う人もいることでしょう。
「残業をしなくてもある一定時間の残業代を支給してくれる会社なんて最高じゃないか!」
もし本当にあなたがこう思ってしまったのでしたら、それは間違いかもしれません。
一般的に管理職などは、残業代が支払われないことが多いです。
そのためある程度の時間に応じたみなし残業代を管理職には役職手当とは別に設定している場合があります。
一般的な企業では、各部門や部署を統括する立場にある人を管理職と定めています。
しかし、一般社員にもみなし残業を設定している会社もあるというのが実はとても多いんですね。
私の実体験であったのが、1回目の転職で内定をもらった企業から入社前の説明で、基本給とは別に毎月専門職手当といって15000円を支給すると説明を受けました。
正直すごく羽振りの良い会社だなとそのときは思ったのですが、実際に雇用契約書を見てみると専門職手当(みなし残業代)と書かれていました。
私自身みなし残業を設定している会社で働くのは初めてだったので、あまり気にしていなかったのです。
研修先の大阪でも毎日定時で退社。
とても良い会社へ入社できたと思っていたのですが、研修が終わりある事業の立ち上げメンバーとして4カ月間神奈川へ行きました。
その神奈川での勤務の4か月間は、毎月100時間から130時間の残業。
時には徹夜をし24時間働いたこともありました。
事業の立ち上げで大変なのは覚悟していました。次々に退社していく同期達…
ですが、次々に退社していく同期達の本当の退社理由は激務だからではなく、みなし残業代15000円以上が全く支払われなかったのが原因でした。
最初に給与明細をもらったときは、愕然としたのを覚えています。
残業をしてもしなくても残業代を支払ってくれるみなし残業制度がある会社は、ホワイト企業だと思っていると大きなやけどをする可能性が高いです。
みなし残業がある会社はブラック企業率が高い場合が多い
2回目に私が転職した企業は、年商300億円というかなりの売り上げを上げている会社でした。
面接で私の印象と経歴がマッチしたそうで、役員面接を終えてすぐに採用が決まりました。
面接時には、残業代はしっかりとお支払いしますと総務部長は話していたのですが、本社へ行き雇用契約書を見てみると…
「みなし残業1万円を含む」
本当に驚くべき項目があったのです。
みなし残業と書かれている、過去の経験から不安しか感じられない項目がありました。
私は正直、とても嫌な予感がしたのです。
そして、その予感は予想通り的中!
みなし残業代を超えた残業をしても、残業代は支払われないとのことでした。
毎朝7時から夜の18時30分の勤務でしたが、就業規則での定時はというと朝8時30分から17時30分の勤務時間。
早出と残業時間を足しても、平均して毎日2時間30分の時間外労働をしているわけです。
けれども、私が働いていた営業所では毎日30分のみの残業申請しか認められていませんでした。
さらにそれ以上の残業は、営業所の所長が認めなければ申告はできません。
毎月6時間分のみなし残業時間を超えなければ、残業代は支給されない制度でした。
ただ1回目の転職先の企業と違って、上司が認めれば残業を申請しても大丈夫だったので、申請の合計時間が6時間を超えると支給されました。
それでも5000円ほどです。
この会社では、営業の人達は夜中の20時や21時まで働いている人がとても多く、新卒者が8名入社した年があったそうですが5年後には全員辞めてしまったそうです。
営業は、全く残業代は支給されませんからね。
みなし残業制度というのは、ブラック企業の確立が高いと思ってもいいかもしれません。
みなし残業代があっても定時退社はできない
みなし残業代が支払われているのであれば、そもそも残業をせずに定時で退社すればいいのではないかと考える人もいます。
「残業しなければみなし残業代なんて儲けものじゃん!」
「残業しないで帰ってきなさい。」
「誰よりも早く帰った者勝ちだよね。」
その様に私も母親からいわれたことがあります。
以前に、みなし残業がある会社で務めているときにいわれました。
しかし、みなし残業を採用している多くの企業では、毎日残業することが当たり前の場合がとても多いのです。
そもそも満足に残業をした時間、全ての残業代を支払う余裕のない会社も実はあったりします。
私が前職で務めていた会社のある社員が、総務部長からこんなことをいわれたそうです。
「残業代を全て満額払っていたら、うちの会社はボーナス出せなくなるよ。」
その様にいわれてしまっては、みなし残業代以上に残業をしても支払われないと勧告され、諦めながら働き続けることしかできません。
定時で退社をすることができない場合が多いから、みなし残業を採用している企業というのが本当に多いのです。
私も今までに2社みなし残業制度を導入している企業で働きましたが、2社ともみなし残業分を超えた残業代を支払ってはくれませんでした。
企業というのは不思議なもので、ボーナスを3ヵ月分や4ヵ月分しっかりと支払ってくれるが、残業代はみなし残業代以外支払わない企業があったりします。
またその逆で、残業代は全て払ってくれるけれどもボーナスが無かったり、またはボーナスが支給されても1ヵ月分だけだったりする場合が多いです。
ボーナスや残業代などで、従業員へ年間支払う年収を調整している企業も存在するのです。
転職活動中のあなたがもし、みなし残業を採用している企業へ応募する場合があるときは、定時退社などそもそもできない可能性が高いことを認識した方がいいかもしれません。
そして、みなし残業代を超えた残業をしても、超えた残業代も支払われないことがほとんどといってもいいでしょう。
みなし残業代がある場合、基本給が低い場合もあり
転職活動をしていて求人を見てみると、額面で30万円近くの給料を掲載している求人があったりまします。
当然、給料が良い求人には多くの応募者が殺到することだと思うのですが、その給料の内訳に実はカラクリがある場合があります。
どの様なカラクリか。
それは、基本給がとても低い場合があるというカラクリです。
例えばこういう給料体系の会社がありました。
月給29万円で年間のボーナスが6ヵ月分支給されるという求人が実際にありました。
しかしいざ働いてみると、初めてもらった給与明細を見てびっくり!
基本給が13万円で、残りの16万円はみなし残業代だったのです。
ボーナスというのは、基本給を基準に支給されるのはあなたも当然わかっていることだと思います。
基本給が低いということは、ボーナスも低くなってしまう可能性があるということです。
13万円の基本給の6ヵ月分ですと、78万円が年間のボーナスになります。
私が現在勤めている会社では年間4ヵ月分のボーナスが支給されますが、基本給が22万円ですので年間で88万円のボーナスが支給されます。
ボーナスの支給月数が多いからといって安易に応募し、実際に働いてみるととんでもない目にあうこともあるのです。
この13万円の基本給で務めている人物は、実は私の義弟です。
当然、基本給以外はみなし残業代ですので、どんなに夜中遅くまで働いてもそしてみなし残業時間を超えても残業代は支払われないそうです。
求人に掲載されている給料が高く設定されている場合は、要注意が必要になってきます。
課長や部長などのキャリア採用でない場合以外を除いて、最初からそこそこ高い給料を支払ってくれる企業というのは何か裏がある場合が多いです。
もしその様な会社へ面接へ行く機会があるのであれば、面接時にしっかりと給与体系をこれでもかと確認した方がいいでしょう。
みなし残業とは早く帰ることができないやばい可能性がある
そもそも早く帰ることがうちの会社ではできませんよ、という場合にみなし残業制度を採用している企業が多いと思います。
これはグレーゾーンだったりブラックだったりするわけです。
以前勤めていた会社で、ある社員が8時間以上を超えている分は法律的にしっかりと残業代を支給しなくてはいけないんじゃないかと総務部長に問い合わせたところ…
「1日の中でずっと体を動かして働いているわけではないでしょ?タバコ吸っていたりジュース飲んでしゃべっている時間は勤務にはなりません。」
と切り返されてしまい、何も言えなくなってしまったそうです。
この総務部長のいうことももっともらしいのですが、確かにこの会社では営業は外へ出てしまえば自由気ままで休憩したい時にお昼休憩をしたり、車の中で仮眠をしたりしていました。
内勤で働いている社員も忙しい時間が終わってしまえば、自由な時間がかなりあるのほほんとした会社だったのが特徴です。
しかし、この様なことがまかり通ってしまうと良くないことが必ず起こるわけです。
この会社でも国の法律が変わり始めてから慌てるように会社が対応をしてきました。
定時の朝8時半ではなく、今まで朝の6時半に多くの社員が出勤していたのですが、会社の規定を変更し7時半からの出勤へ変更。
まったく意味が分からない対策なのですが、この様な対策を行ってきました。
私たちの様な内勤者は特に残業代を払うわけにはいかず、早めに帰らされるようになったのですが、営業の人達は今まで通り夜中遅くまで働いていました。
「営業は手当てが出ているから大丈夫だ。」
これが会社の答えだったのですが、手当と残業代は違うと思います。
みなし残業を採用している会社は、まず早く帰れることはないと考えた方が良いでしょう。
もしあなたが転職活動をしていて条件の良い求人を見つけたとしても、みなし残業を採用している会社は避けて通った方が良いかもしれません。
まとめ
ここまで、みなし残業についてお伝えしてきました。
私自身も実際にみなし残業制度を導入している会社で働いたことがあります。
それも2社。
そして、その2社とも全く同じ結末を迎えました。
その結末というのは…
みなし残業分を超えた残業をしたとしても、決して1円たりともみなし残業分を超えた残業代は支払われなかったという結末です。
恐ろしいですよね?
怖いですよね?
これが、みなし残業制度の真実の姿なのです。(そうではない企業もあるとは思いますが…)
みなし残業代が月額15000円でしたら、決してそれ以上の超過残業をしても支払われない可能性がとても高いのです。
もう96%といってもいいくらいです。
もしあなたが、転職活動をしていてみなし残業制度を導入している会社へ応募しようとしているのでしたら、それはもう少し考えた方がいいかもしれません。
1ヵ月40時間の残業をしても、みなし残業代10時間分しか決して支払われることがない可能性が高いからです。
そして、みなし残業制度が導入されている会社のほとんどが、異様に残業時間が多い可能性が高いということです。
私も当時は、平均して1ヵ月80時間は残業をしていましたが…みなし残業代以上は支払われませんでした。
みなし残業制度を導入している会社へ面接へ行く場合、しっかりと口コミサイトなどをチェックした方がいいでしょう。
あなたが仕事で辛い思いをしないためにも必須です。
しっかりと口コミサイトをチェックしましょう。
1979年生まれの就職氷河期世代の妻子持ち男のthelifeです。非正規雇用で数年間も働き続けた負け組であり、抜け出すために独立を考え行動するも挫折。それでも転職成功し現在はホワイト企業で働いています。年収240万円契約社員→大会社年商700億円へ転職成功→年商300億円医薬品ベンダー転職→大手商社系物流会社内定→残業の無いホワイト企業転職。実体験に基づく転職や人生の役立つ情報を提供しています。